大阪市学童保育連絡協議会

大阪市の学童保育の現状と課題

大阪市の学童保育の現状と課題
大阪市の学童保育の現状と課題

 全国の学童保育においては、その事業主体や運営主体は様々ですが、多くは行政が事業主体(行政の責任で学童保育を設置する)となり、運営は行政(公設公営)または父母会(公設民営)などが通例です。

 しかし、大阪市においては共働き家庭や母子・父子家庭の切実な要求に背を向け、事業主体として学童保育を設置せず、補助金のみという施策を現在も続けています。働く父母自らが指導員と協力して学童保育所を市内各地につくり、父母自らが運営(民設民営)するという、全国の学童保育の実情から見ても大阪市は特異な存在になっています。

 まして、全国で初めての学童保育(民設民営)がこの大阪市に誕生した歴史からしても、大阪市の保育行政は乏しいものといわざるを得ません。1997年に国の「児童福祉法」が改定され学童保育は制度化されました。一定の条件を満たせば「第2種社会福祉事業」(公的団体)と位置づけされることになりました。働く父母の学童保育に対する要求は全国的なものです。

 市連協は大阪市に対して「児童福祉法」の精神に則り、行政の責任において学童保育の実施をと強く要求しています。同時に、現況の父母が運営する学童施設の厳しい財政事情に対し、補助金の大幅増額や小学校の余裕教室、公的施設などの利用促進を要望しています。

親子

大阪市の放課後児童施策の現状 

国の

施策

放課後子供教室

放課後児童クラブ(放課後児童健全育成事業)

大阪市の

施策

児童いきいき放課後事業

いきいきクラブ

留守家庭児童対策事業

(学童保育)

法的

根拠

な し

○児童福祉法

○放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準(省令)

○大阪市放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例

○児童福祉法

○放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準(省令)

○大阪市放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例

根拠

児童いきいき放課後事業実施要綱

児童いきいき放課後事業内留守家庭児童健全育成事業

大阪市留守家庭対策児童補助金交付要綱

目的

全児童を対象として、放課後等に遊びやスポーツ等を通じて児童の健全育成を図る。

児童いきいき放課後事業実施要綱の趣旨と児童福祉法の規程に基づき児童の健全育成を図る。

小学校に就学している児童で留守家庭児童の健全育成を図る.

設置

主体

大阪市

大阪市

民間

 

運営

主体

・財団法人大阪市教育振興公社

・(株)セリオ

・地域活動協議会(港区、東淀川区、鶴見区等の一部)

・財団法人大阪市教育振興公社

・(株)セリオ

・地域活動協議会

同 上

ヵ所数

298ヵ所

34ヶ所

106カ所

実施

場所

市立小学校内

市立小学校内

施設面積 児童一人当たり

1.75㎡以上

児童館5、幼稚園2、私立保育園11

社福法人7、アパート・民家62、その他17

施設面積 児童一人当たり

1.75㎡以上

対象

児童

事業実施鉱区に居住し、参加を希望する学齢児童

小学校に就学している児童で、放課後帰宅しても保護者等の適切な監護を受けられない児童

小学校に就学している児童で、放課後帰宅しても保護者等の適切な監護を受けられない児童(障害児は18歳まで可)

登録数

62、309人(いきいきクラブ児童を含む)

1、190人(1クラブ35名定員で算出)

3、887人(いきいきクラブ児童を含む)

利用

日時

年間約293

平日:放課後から午後6時まで

土曜日・長期休業中

:午前830分から午後6時まで

年間約293

平日:放課後から午後6時まで

土曜日・長期休業中

:午前830分から午後6時まで

年間約291日以上開設

平日:13時間以上

土曜日・長期休業中

18時間以上

※具体的には各施設で設定

保護者

負担

利用料無料、災害保険料年500

利用料無料、災害保険料年500

各施設で設定、平均月15000円から20000円程度

指導員

2名以上

 元校長、元教員等の嘱託

 指導員と地域指導員

放課後児童支援員を、支援の単位ごとに2人以上配置(うち一人を除き、補助員の代替可)

放課後児童支援員を、支援の単位ごとに2人以上配置(うち一人を除き、補助員の代替可)

27年度

予算

3,364,943千円

725,606千円

※大阪市提供資料を参考に大阪市学童保育連絡協議会が作成。2105年8月17日