日本の学童ほいく 9月号
「学童保育の生活で大切にしたいこと」 長瀬美子 先生の記事を読んで
ひょんなことから、子ども達に「コロナに対して言いたい事は?」というアンケートを学童内でとる機会があった「遊びや旅行に行けなくなった」「学校が休みになったりした」「学校や学童の行事がなくなったり、延期になったりした」「マスクが面倒」「おじいちゃん、おばあちゃんに会いに行けなくなった」等ネガティブな言葉がたくさん出た。
新型コロナに関して、普段は不平や不満は言わない子ども達だが、日常の生活の中で何かしら我慢や窮屈に感じていることはあるようで、この傾向は特に高学年に多かった。
一方低学年はというと、勿論言葉に上手くできなかったりという点を含めてもなかなか意見が出てこなかった。特に一、二年生にこの傾向があった。なかにはコロナに対して言いたい事は「ない」という子もいた。
学童の入所説明会を行う時に、小学校の入学や学童入所に関して、不安に思われる保護者に向けて、「大人よりも子どもの方が、環境に順応していくのは上手ですから」ということがあります。
そんな順応できる子ども達だからこそ、新型コロナにおける感染予防や生活の窮屈さに慣れてしまっていっているのではないかと思わされた。「あ~、こんなもんなんだな~」と今の生活を”子ども達が容認してしまっている”ことに愕然とした。
それはまさに戦時下の子ども達が、常に命の危険に晒されている中で過ごしているのと同じように感じる。やりたいことをやりたいと言えず、限られた中でどうにか楽しみを見つけて生きているかの如く。どんな状況でも「楽しいことがしたい!」という子どもの欲求を受け止めつつも、「本当はこうではないんだよ」、「もっとこういう事ができるんだよ」、という子ども達が目を輝かせられるような希望を大人が見せることも、このコロナ禍の子ども達には必要で、我慢を強いている大人の責務だと感じた次第です。
感染予防も勿論大事な事ではありますが、コロナ禍とはいえ、「今しかない子ども時代」を今しかない仲間達と生きている子ども達がたくさんいる事を、大人の方々には心に留めておかなければいけないと思う。
学童保育指導員